CRCカード

backbeat2007-01-17

iPhoto整理してたら出て来た。以前、会社で若いのがCRCカード使ってクラス考えてみますた、っていうクラス図を見せられたとき、ホワイトボードに貼ってたやつをメモ代わりに撮ってあげたんだっけな。その一枚。

クラス名
電波
責務(振る舞い)
電波を受信する

詳細を忘れてしまった今では、そのクラス名はアンテナの方がまだいいんじゃねと言うよりも、「電波」役だったヤツのCRCロールプレイを是非見たかったと後悔しきり。なんかすっげえまじめに、電波受信しまくってたんだよ。たぶん。電波になりきって。

では、僕が電波を受信します。

と。まじめな顔で。毒入りかどうかはここでは問いませんからね。レスポンシビリチーを洗い出しているのですからね。で他のクラス(役)から

誰かデンパをジュシンできる人はいませんか。

と訊かれたりしてな。でも、ふだん町で見るデンパの実装はほとんどがビジーループでできているので(デンパだけをひたすらジュシンする)、大概は一人で「次は、かわさきー」としゃべるだけですから、そういう非同期な問い合わせをいきなり投げても返事しないでしょう。一度だけ川崎の立ち食い蕎麦屋で、蕎麦を食いながらジュシンできている実装(挙動から見るに、『空想の彼氏』からのデンパだったようなので、プライオリチーはかなり高いが、その相手をしつつもちゃんと蕎麦も食えている)を見た事があります。さすが日本のシリコンバレー川崎市
で、ロールプレイも終わって。「でもデンパ、セキム一個しかねえじゃん、じゃまくせえからくっつけちゃおうぜ」と言われても、切り替えの利かない理系の男の子らしく、気持ちがまだロール(デンパ)になったままで早口。

僕の電波クラスにはデンパを受信するしか責務はありませんがデンパを受信するセキムは他のクラスにヘイゴウするのはセキムのブンタンがおかしいデンパをジュシンするというのはデンパクラスにわ

確かに電波だ。もう実装しなくてもある(居る)んだから作らなくていいんじゃん(笑)。再利用サイリヨウ。こいつ出荷しようぜ。


えー、後半はネタです。書いた人は全然に融通の利く、わりかしおしゃれさん(関係ない)。たぶんのんびりと、「めんどくさいなあ」が4割くらいで、

あー、じゃあボクがデンパ受信しときますよ。あ、これ書くんだよね、はい、でーんーぱ、と。あははは。

っていうカードなんだと思います。貴様の今年の抱負に「名前重要」をくれてやるわ(笑)。もちろん製品ではございませんので念のため。製品(実装)を是非みてみたい人も多いと思いますが(笑)。

石油商に生まれて

そういう訳で仕事しまくりである。先日NHKの番組で、神の恵みである石油の輸出で儲かりすぎてサウジアラビアの若者が働かずに砂漠をバギーで走ったりしてばかりいる、というのを観ながら晩飯を食っていて、本当にうらやましかったのである。石油は無理だろうけど温泉くらい出ねえかな。掘るか。うち4階だけど。

なんだか設計がらみの相談が多いんだが、これはMさんの仕事を引き取ったせい(笑)だが、まあしょうがねえ。
うちら(と、Mさんを巻き込むやらしい言い方)は、仕事では「そこそこ」の設計しか求めてない。イメージ的に6割っつーの。「問題アリナシっつったら、絶対あるけどー、まあ、ぎりぎりアリ」くらい。判断に迷うより、一個良い方の。顧客も開発者も、ここは難しいから、ここは場合によってはまずいかもね、ってのがギリギリ言えて、100%では無いがそこを今後交換する案が複数見えてるくらい。だから、デンパも、アリ(笑)。まあ、境界出せてるだけいいよ。もちろん、うちの案件だからこれでいいよ、って話。どうせ3ヶ月すれば要求でプラットフォームから話が変わるから、ユーザの話に合っている、必達の機能要求だけ満たした、妥当な設計を最優先する。最良の設計を考える時間もないし、その設計の寿命もないだろう。
しかし、それが最近、辛いんである。からい。じゃねくて、つらいんだよ。なんでも100%作るのが古式ゆかしき火の玉世代で、ユーザに見えようがないくらい微妙な機能に耽溺するのが実装バカであるのは、どこも同じ。おんなじ。ここが噛み合うと非常に面倒くさい。で大抵さー、こいつら、タクでオヤジだから、醒めた見方ができないのね。もうね。

やってまっせ

遅れまくりだが、やってます。まだ、くやしい(なにがだよ)のでリンクを張らないが「恐怖の兜」は先日本屋で気になっておったとです。欧米書籍コーナーは最近チラ見だが「その他」を良くチェックするのはCD屋と同じ。
とはいえ、まだ聊斎志異を読んでいる。いい。実にいい。オイラが読んでいるのは前に挙げた岩波文庫版で、他にもあらすじを紹介しているサイトもある。ありがたいね。ではツボのいくつかを。
とても綺麗な娘さんが若くして死んだ。後にその墓の側に住んだ若い男の家に化けて出て、夜を伴にする。男も娘があんまり素敵なので毎晩のように相手をイタしておったが、幽鬼と交わるのは身体に深刻なダメージを与え、最後には死を待つ状態になる。それを治す女に追い払われた娘、そうは言っても切れぬ未練、うろうろするうちに近所で死んだ娘の身体を見つけて転生する。さて生身になったと鏡を見て一言

「ああ、こんなブスに転生するなんて」

がははは。こいつ、それで熱出して寝込むのだが、皮からなにから全部、美人に再生するの(笑)。でいろいろあって大団円。あー、いい話だ。
もうひとつ。死期が迫った男、妻に今後を訊く。

「おまえ、俺が死んだら、再婚するのかい」
「...」(いや貞操ありますし)
「独りで俺に添い遂げるなら、とてもうれしいが、再婚するなら、それはそれで、あきらめが付く。どっちだ」
「...」
「どっちでもいい。...もう、だめだ。最期に聞かせてくれ。どっちだ」
「...独りで暮らそうにも、うちには貯金がないから、無理です...」


「ひとでなし」

と言った、カンジの悪い夫が死んだ。ん、ですがー、冥土に行くまで色々あってー、夫、生き返っちゃいました。だから家に帰ってきたんですがー、聞いちゃったのもあって、家ん中、すっげービミョー。
...という話が結構あって、実にいい。もちろん他に怪談もあるし、なんだか感動する古典的な話も多い。でも日本よりさっぱりしてんだよな。
以前から騒いでいるから何度も書くのはアレだが、古典な名作というのは、やっぱりそれだけ面白くて保守的だ云々たら言う枠はとうに超えたものが、実に多い。当たり前だが。トイレの○子たら読むくらいならまずこっち。現代語訳だし面白さ満点。