やってまっせ

遅れまくりだが、やってます。まだ、くやしい(なにがだよ)のでリンクを張らないが「恐怖の兜」は先日本屋で気になっておったとです。欧米書籍コーナーは最近チラ見だが「その他」を良くチェックするのはCD屋と同じ。
とはいえ、まだ聊斎志異を読んでいる。いい。実にいい。オイラが読んでいるのは前に挙げた岩波文庫版で、他にもあらすじを紹介しているサイトもある。ありがたいね。ではツボのいくつかを。
とても綺麗な娘さんが若くして死んだ。後にその墓の側に住んだ若い男の家に化けて出て、夜を伴にする。男も娘があんまり素敵なので毎晩のように相手をイタしておったが、幽鬼と交わるのは身体に深刻なダメージを与え、最後には死を待つ状態になる。それを治す女に追い払われた娘、そうは言っても切れぬ未練、うろうろするうちに近所で死んだ娘の身体を見つけて転生する。さて生身になったと鏡を見て一言

「ああ、こんなブスに転生するなんて」

がははは。こいつ、それで熱出して寝込むのだが、皮からなにから全部、美人に再生するの(笑)。でいろいろあって大団円。あー、いい話だ。
もうひとつ。死期が迫った男、妻に今後を訊く。

「おまえ、俺が死んだら、再婚するのかい」
「...」(いや貞操ありますし)
「独りで俺に添い遂げるなら、とてもうれしいが、再婚するなら、それはそれで、あきらめが付く。どっちだ」
「...」
「どっちでもいい。...もう、だめだ。最期に聞かせてくれ。どっちだ」
「...独りで暮らそうにも、うちには貯金がないから、無理です...」


「ひとでなし」

と言った、カンジの悪い夫が死んだ。ん、ですがー、冥土に行くまで色々あってー、夫、生き返っちゃいました。だから家に帰ってきたんですがー、聞いちゃったのもあって、家ん中、すっげービミョー。
...という話が結構あって、実にいい。もちろん他に怪談もあるし、なんだか感動する古典的な話も多い。でも日本よりさっぱりしてんだよな。
以前から騒いでいるから何度も書くのはアレだが、古典な名作というのは、やっぱりそれだけ面白くて保守的だ云々たら言う枠はとうに超えたものが、実に多い。当たり前だが。トイレの○子たら読むくらいならまずこっち。現代語訳だし面白さ満点。