なんにもいらない

backbeat2008-04-26

ぶっちぎり10連休だったはずの黄金週間まで徐々にシュッキンビに浸食されたある日、例によって終電を待つ。
なにがチムサアチョイだかねえまったくよ、と腐りつつ、ふと、去年閉店したキオスクの貼り紙に落書きしてあるのが目についた。どうやらスペイン語だ。走り書きのうえに文法もいい加減で、英語に直訳すると"Give me your hands let's dance"とかなんとか、ちゃんとは読めない。写真だけとっとこ。
家に帰り、寝る前の晩酌片手に眺めてみる。踊りだ花だと、どうも恋の歌らしいけれども、やっぱりわからん。とりあえず読み取れる単語だけでググるか....んー、ズバリこれでしょう、はないなあ。たぶんこれかなあ、チリの詩人ガブリエラ・ミストラルの詩"DaMe La Mano"。リンク先のブログに詩が載っているので(ありがとうございます)、これを元に落書きの部分だけを復元すると(カッコの部分は落書に抜けている箇所)、こんなもんですかね。

手を取って 踊りましょう;
(手を取れば 恋に落ちる)
一輪の花と一緒に
一輪の花があれば なんにもいらない
(一緒に 歌って)
一緒に 踊って

またなんとも端整で純な詩を、赤マジックで殴り書いたもんだねえ(笑)、広軌が自慢の労働者向け私鉄に。わはは。

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この辺は中南米から来た人も多く、辛い職に敢えて就いている人もいます。夢を持って来日して、毎日がんばっていても、ちょっとしんどい時はあったりするもんです。でもここは外国で、友達も少なかったりして。ね。
そんな日に、少し飲んだ帰り、なんとなく、母国で読んだ詩を思い出して、描いてみたのかもしれません。
手を取って。恋に落ちて。共に歌うこと。
疲れていても、その気持ちを忘れないこと。
そういうライフスタイル、大切にしていきたいですね。

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チ○タあたりのサルサパーティーにラテン男釣りに来てた日本女だよ、これ。"danzaremos"が"dansaremos"だったり、"bailarás"が"vairalas"になっててね。日本語ネイティヴが「びょういん」と「びよういん」を間違わないように、これはありえん。更に、男が好いて書く歌詞でもない。
おそらく釣りは坊主なまま泥酔、パーティー終了、同行した連中との帰り、パーティーのラスト曲の歌詞を歌いながら書いたとみた。「あたしあの曲好きなのよお、好きなのよお、おえっぷ」とか言って。とか言って。始発。