世界はモザイク

backbeat2007-11-08

増井さんのTwitterで知ったんだったか、Leopardのモザイク・スクリーンセーバー。小さな色々な画像(LPジャケとか)をびっしり集めて別の画像(顔とか)を作ってるポスターなんか、ちょくちょく見るでしょ。あれを、iPhotoに入ってる写真を使って次々と作ってくれる。ある写真からズームアウトしていくと、周囲にもいろいろな写真が並んでいて、どんどん離れると、また全体が別の写真になっていて、更にズームアウトしていくと...と永遠に続く。とても気持ちいい。
先日のできそこないのグラタンから始めようか。グラタンになりたかったものが集まって岩波文庫の表紙になり、それが集まるとキューバ内務省にあるチェ・ゲバラ壁画の背景になる。内務省は俺の職場の電灯の端に取り込まれて、大井町のジャズ屋でタバコを吹かす鬼さんの横にあるオーネット・コールマンのジャケの一点へ、その薄暗い店内が春一番コンサートで歌うミチロウの日陰に埋もれると会場はまるごとティオティワカンをひいひい登る婆さんのサンバイザーに消え、太陽のピラミッドと日華辞典が一緒に中野サンプラザの夕暮れに飛び込んだら、その中野駅前は品川水族館の魚と一緒にCDROMの盤面の光に埋まったまま、日ノ出町の韓国料理兼麻雀屋の看板を光らせる。看板は神保町で食った麻婆豆腐となり、麻婆豆腐はスープカレーのスープになり、北千住の串カツ屋の衣に化け、とっぽい眼鏡をかけたタロウのデコを光らせ、京都の下宿屋やDEVOのジャケット、諏訪大社と互いに並びながら、俺がMacbookのアダプタを引っこ抜いたら壁ごとぶっこわれた、キューバの安ホテルの200Vコンセント穴をかたどる。この上にあった電話、毎晩「うふーん」って流しの姉ちゃんが電話してきたんだっけなあ。
単なるスライドショーより周り(上下左右に並ぶ画像)とのつながりがあるからすごく自然につながっていって、それでも意外なオチが出る楽しさは格別だ。面白いDJに当たったときといいますか。本当はもっとスライドショーっぽく楽しめるんだろうけれども、上の例はなんで、なんだかこう未来精子ブラジルみたいな印象があるんだろうな。今年行ったカイガイリョコウの写真もあるんだからさ、普通はもっと、キューバで撮ったスクーバの海が集まって伊豆のブルー・ハワイイのカクテルになったりとか、「うわー、なんか、せかいって、ひとつだよねー」みたいな気分で切り替わるもんだろうが、串カツでコンセントっすわ。赤貝の殻の山と一里塚が、半裸でトラックの荷台に載ったおっちゃんの汗だくの腹に消えたときはしみじみと考えた。
スクリーンセーバーを数分じーっと見てから止めると、錯覚で全画面がズームインして来るように見える(笑)。やばいよ、これ。スピードは最高で、ひとつ。