なんちゃってさぱてすた

まあ後で聞けばいいや。車に戻り、月のピラミッド裏にあるレストランへ。

知り合いらしい店主と挨拶して席へ。メシはスープとティオティワカン風煮込み(牛豚鶏チーズサボテントマトタマネギ)をトルティージャで。結構美味い。
店主のおっちゃんは西語が通じないガイジンとはあまり目線を合わせないが、ちょくちょく来ては「カズオ」と俺の名前を呼んでじーっと見る。俺が「ふぇりくす」と名前を呼ぶと握手して、帰る(笑)。まああれだ、実家に外国人の友人を連れてったときの爺さんみたいなもんだな。
ところで店主とフェリペがなにやら話しているうちに、ソンブレロとライフル登場。持って来たおじさんがデモンストレーション。

ベタだねえ(笑)。笑ってたら「おまえもやれ」と始まった。ええー。

よくこれだけ「収拾がつかない」空気を出せるものだな俺は。笑う。
面白かったので多めに勘定を済ませたら、デザート(?)にテキーラ(笑)と自家製のチョリソーをジャガイモと炒めたのが出て来た。これは実に美味い。今回の旅行で食った一番うまいチョリソーだった。フェリペは別にチョリソーをお土産に貰っていた。曰く、家で奥さんが作ってもどうしてもこうならないとのこと。店主は俺にもやると言ったのだが、自家製じゃあ検疫が面倒そうなので泣く泣く断る。うまかったのに。
「じゃあ次はマリアッチだな」と二人が話すのを放っておいたら、フェリペが「俺が歌うよ」と言い出した。おいおい大丈夫か。伴奏さんが着て、店主の娘さんらしき女の子も来て座った。

オイオイ歌うまいじゃねえかオイ。娘さんもうっとり。店中喝采。「歌うめーなオイ」と日本語で言ったら「いやうまいっていうか好きで練習してたんだよね前に」と照れる。じゃあそろそろ行きますか。店員さんに挨拶して外に出る。店主が出て来てフェリペに挨拶したあとに俺を呼んだ。

「なんすか?」
「....」(じーーー)
(あああれか)「ふぇりくす。」
「またおいで」

ありがたくお辞儀して車へ。