凍土文化
徐々に徐々に盛り返すのが100冊のポイント。現在マイナス5。あせってはいかん。とはいえ、去年の道行きで途中まで読んで置いてた本を投入したり、なかなか自転車な読書が続いております。なんかさ、家中さらって昔やってた100円玉貯金の箱まで出して来て水道代に充ててるような感じな。とほほ。
そういう一冊。
- 作者: 斎藤君子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/12/16
- メディア: 文庫
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少年の冒険譚。化け物の居る骸骨の家へ入っていく。
目のないばあさんがふたりそこに座っていた。男の子はじぶんのちんぽこを引っ張り出して、ひとりのばあさんの鼻の方に向けて、ぶらぶら振った。するとばあさんが、
「こんにちは!」
といった。
「やあ!」
「なんだか、亭主もちだったころのことを思い出すよ」
「そうかい」
男の子はそういってばあさんを殺すと、皮を尻の穴から剥いだ。それから身体は糞の山に放り投げ、皮はそこに置いた。
話として出血大サービスだよねえ(笑)。ガキ大喜びだよ(オレも)。もうちょっと違う話。あるワタリガラスが寝ているうちに太陽を飲み込んでしまい、陽の照らない吹雪の日がずっと続いている。エメムクト(スサノオみたいな人)が自分の娘イニアナヴァトに、このワタリガラスを連れてこいと命じる。手管を回してワタリガラスを家から連れ出した。
イニアナヴァトはワタリガラスに
「あなたが先に行ってくださいな」
といって、先の尖った長い棒を手に持って、ワタリガラスを突き刺した。
二度と太陽を飲み込まないように!
いつも空が明るいように、吹雪にならないように!
イニアナヴァトはワタリガラスのヴェルヴィムティルィンを棒に刺して、高々と掲げた。
この話はここでおしまい。決めますねえ。そもそも、昔話を語るのは冬の悪天候の折、神に面白い話を捧げて天候の回復を祈るものだったんだって。だから逆に、夏の普通の日にそういう話をしちゃいけない地域もあったとか。天候の回復を祈るのもあって、日本だと「めでたしめでたし」とか「どっとはらい」なんて言う、最後の締め文句の典型が、こっちだと
私は風を殺した。
だったりする。くー。このオイラの文化背景とさっぱり噛み合わない(笑)格好よさやサービス加減が素晴らしい。
図書館にあるでしょうから、ぜひどうぞ。