散文旅行記

マレー蘭印紀行 (中公文庫)

マレー蘭印紀行 (中公文庫)

結局読んでみようリストに挙げたままな金子光晴、を、うすいほんだったので借りた。いや、しかしこれが素晴らしかった。散文調に散らばしたイメージが筆跡になって描く、当時の東南アジアの油絵。マレーのむせ返るような密林、ゴム農園の苦力、昔っから金持って食って飲んで吐いて酔っぱらう日本人の旦那の皆さん、金になると思って「稼ぎ」に売られた日本人の女性の皆さんが、まさしく匂い立つ様子。「シンガポール」に出て来る街の風景が最高に粋だ。

そろそろ、普段のマイナス圏内です。現在-6冊。このまま支払い切りたい借金生活。腰を据えて読みたい厚い本も増えてきたしね。