ヅガイ

backbeat2006-12-10

どうみてもボアダムズのジャケなんですが、違います。幼児期に頭蓋骨を圧迫して、よりよい頭の形を作ろうとする各国各地の様子でございます。「よい」というのも色々あって、高貴な人は後頭部が尖るのから、物を頭にのせて運べるようになんていう実用的な良さもあるんだそうです。
今年ラスト3冊目。まだ途中までしか読んでませんがね。

身体の文化人類学―身体変工と食人

身体の文化人類学―身体変工と食人

以前読んだいれずみの先生(失礼)の別の本。こっちはいれずみも含めて更にコルセット、乳房切断、割礼、頭蓋変形、抜歯、纏足、なぜか食人と広範囲。前のと同様、論文や記録を中心に中立的(この先生は医学の先生なので、その視点はやや多めに入ってる)にまとまっていてとても面白い。割礼という語はもともと宦官にする意味だのに、中東〜アフリカあたりでちんちん包皮を切り取る語に当ててしまったから誤解が多いとか、耶蘇さんへ賛美歌歌うのに、野太い声じゃきれいじゃないからと言って去勢に踏み切る貧乏の若い子が多かったとか。声変わりせずきれいに歌えれば、うまく行けばオペラ歌手、悪くても賛美歌屋で食えたからなんだってさ。ちなみにちんちん切ると声変わりしないっつーのは、ヘルニアの治療手術をやっていてわかってきたらしい。
で、切らなくても、そのちんたまが生まれつき腹の方に上がっている人は、睾丸として機能しないので同様に中性的なまま成長するんだそうで、そんなんでオペラ歌手で人気を博していた歌手がいたんだと。その歌手さん、ステージの最中に「よし、ここはひとつ気合い入れて歌いましょう」と力んだらなんとまあ、するするっとちんたまが所定の位置についてしまい、天使の歌声がみるみるうちに。...という話があるらしいが、さすがに著者も「できすぎ」と断じております。落語じゃねえのか、それは(笑)。