地獄・ちょっといい話
たまには飲んだウヒャー踊ったフーじゃない話もやりましょうか。地獄ツアー・アラビやん古典版。出典は千一夜物語。
地球(地層)の中には、アッラーが作られた「火」を七つの層に区切って入れてあるそうです。各層は「人間のはかり方で千年かかる距離」離れています。歩いて、ってことかな。
深い層ほど恐ろしい、耐えられない世界になっております。そっちからいきましょう。
- 第7層
- ハーウィヤと言う。異教徒と表面だけで心の無い信者を入れるための場所。
- 第6層
- フタマと言う。異教徒を拷問するための広大な穴倉。ペストの籠った熱い空気が満ちている。
- 第5層
- サカル。不信の徒、嘘つき、傲慢者を入れる。
- 第4層
- サイール。反逆した天使イブリースが閉じ込められている。イブリースはアーダム(アダム)をかどわかした、んだったっけな。
- 第3層
- エル・ジャヒーム。大鍋の形をしている。悪魔ヤージュージュとマージュージュが閉じ込められている。新手のご家庭焼き肉セットみたいな名前だが、恐い悪魔なんである。
- 第2層
- ラザー。深い淵がある。予言者ムハンマドの布教に関わらず信徒となる事を拒む者が落ちる。
- 第1層
- ジャハンナム。悔い改めぬ生き物の落ちる所。
深いほど恐ろしいので第1層はだいぶ過ごしやすいんだが、それでも、ここには七万を超える火の山があって、山にはそれぞれ七万の谷がある。そのそれぞれの谷に七万の都があり、都には七万の塔が、塔には七万の家が、家には七万の腰掛けがある。それぞれの腰掛けは七万の拷問ができる。
異教徒を含めた不信心者、不道徳者への具体的な戒め感がてんこもりですな。血の池どころじゃねえよ。ペストだもの。石を積んでも崩されるような罰でなくて、拷問。戒めの例なんだから、異教徒は結局どの層に落ちるんだとか言わないように。
最後の七万腰掛けの箇所は、この順のまま本にも書いてあります。ズームインしていく感覚が気持ちいい。最後までズームインしても、やっぱり拷問が待っているのも良い(笑)。
この話をする魔神(ジンニー)の王様は更に続けて、地球(地層)自体はどこに乗っているとか、イブリースなどの魔神はどうして生まれたとか、面白い事を色々教えてくれるんですが、長くなるので、その魔神は一人当たり、一日どれくらい食べるかだけ書いておしまいにします。
- ラクダ: 10頭
- 羊: 20頭
これらは丸呑みにするそうです。液体も摂りますよ。
- 肉汁: 大鍋40杯
...肉ばっかし(笑)。