転職

先日、昔インチネジで俺をナンパしたおじさんがうろうろしとった。入社同期と飲むのに来たはいいが、なにせ年代が年代、雑務や会議で集まりが悪いから、ビールひっかけてうろちょろして待っているそうな。こっちも夕食後だし、タバコを一服おつきあいする。

「さいとう、おめー、最近どうなのよ」
「まー、まあまあ、っすかね。一緒にやってた頃と変わんねっすよ」
「あのさ、さいとう、ほんというと、おまえ会社とかサラリーマンは向いてねえよ」

広いおでこを赤くしながら、なかなか痛いところを直球についてくる年の功。

「そっすねえ。使えねーけど、俺まじめにやってんすけどね(笑)、これでも」
「だめだよう。おまえあれだ、無理しねえで、なんか別の仕事やりゃいいじゃん」
「別って、何するんすか。おれ他に、手に職ないっすもん」


「...らっぷ。」(余計な事でしょうが、「ら」にアクセントを置いています)
「はあ!?」
「らっぷ、いいじゃん」
「...俺、いきなりベースボールシャツ着てメーンかよ、オイ(涙笑)」
「大丈夫、そういう方が向いてるんだって、お前。その顔ならできるよ」
「顔 じ ゃ ね え だ ろ」(もう余裕でタメグチ)

もう面倒だから台詞書きにはしないが、オヤジの言う根拠は、彼の家の最寄駅で、毎晩ちゃりんこの曲乗りを練習している若いのが、俺のナリによく似ていて「らっぱー」っぽいからだ(笑)、と言う。その話は数年前にも聞いた覚えがある。訊くと当然の顔をして「そいつだよ。昨日もやってたもん」だと。その兄ちゃんもよくもまあ何年もジャックナイフ(くらいしか知らん)がどうしたとやっているもんだ。おかげでこっちはえらい目だ。メーン。しっかし、心配してくれてるのが酔いと気遣いで冗談に流れたとはいえ、Bっすか。