構成管理のパターン

版管理の話はまたちょっと書くと思うけど、今日はこれ。ちょっと版番号とは違うけど。

Software Configuration Management Patterns: Effective Teamwork, Practical Integration (Software Patterns Series)

Software Configuration Management Patterns: Effective Teamwork, Practical Integration (Software Patterns Series)

ずいぶん前に出て、pragprog本でもご推薦。内容もすばらしい。なのに、未だに邦訳がない。構成管理というと、すぐ品質管理とかのおじさんがやってきて「あたしはこう思うね」なんつって眠たい文章を日がな一日こねくり回し、企業同士の寄り合いで持ち寄ってバカ高い本にまとめたのをこのくそ忙しいのに3日もかけて読まされたりするものですが(断言)、これはCVSなどの構成管理ツールでtrunkやbranch、tagを使って作業をする際の典型的なやり方をパターンにまとめたもの。紹介されているパターンがわかれば、たいていのCVSツリーや運営ルールがすぐ解釈できる。よく考えてあるよ。
難点がひとつ。CVSSubversionといった版管理、構成管理のツールは最近フリーソフトウェアも色々出てきましたが、更に商用まで含めるとかなりの数になる。困った事に、それぞれで用語が全然統一されていない。"tag"が"label"だったり、"repository"が"depot"だったり"vob"だったり。貼ったtagは動かせたり、動かせなかったり、ある条件だけ動かせたり。だからこの本ではそういう具体詳細は伏せて、統一した用語と抽象的な説明で書いているんだが、これがちょっと初心者には曖昧でわかりにくい。巻末に各統一語句と主立った構成管理ツールでの実際の名前の対応表もあるし、著者のせいでは全くないと思うんだけど、もったいない。手元にCVSなりのリポジトリを用意して作業しながら読むとわかりやすくなるかもしれない。
構成管理の本を定期的にチェックしていて、特定ツールに依らない構成管理一般についてまとめた本ではこれがここ数年ベストを維持してます。おすすめ。pragprogのCVS/svn本を読んで、もうちょっとちゃんと管理したいなあと思ったら、これ。著者のサイトはこちら(http://www.scmpatterns.com/)。
...いや、はっきり書こう。構成管理一般はこれ以外、日本で出たのも米国で出たのも、ツールの紹介と事例集とCMMだISOだとおやじ話ばかり。管理したまえと言う側ばっかりで、実際にcommitする側の本がさっぱり無い。