憂国

今日は拝殿が企画に参加したライブに行く予定。が、ゆっくりし過ぎて遅刻確定の移動時刻。ひとまず品川まで出て地下鉄の乗り継ぎ時刻を調べたが、既に遅刻だし車で行っちゃえと思ってタクシーを拾った。都内で車に乗るなんてずいぶんご無沙汰。
しばらく走ってから、運ちゃんがいきなり細い路地へ曲がって走り始めた。どんどん抜けて有栖川宮記念公園の横のほっそーい道をガンガン飛ばす。妙な事にうちの車だけじゃなくて、他のタクシーやら乗用車もガンガン連なって飛ばしよる。変だなと思って聞いてみたら、どうも近くにある中国大使館の前に、あの、なんつーの、ウヨウヨした街宣車がウヨウヨと集合して憂いてらっしゃると。で、それを止めるのに警視庁が片っ端からルートを閉鎖しとると。だからこの辺一帯、さっきから通行止めばっかりなんだと。更にまずいことに、中国大使館のすぐ横が韓国大使館で、憂い具合は最高潮なんだと。裏目だ。ああ裏目だ。

「でもね、こっちから抜けると、この右の通りが大使館でね、このまま真っ直ぐ抜ければ、まあちょっと遅いくらいで着きます...ああ!!」

その右の通りから閉め出された街宣車が、その、抜けるはずだった真っ直ぐの通りの入口に、パトカーに行く手を阻まれて停止しております。覆面が行く手を阻むため手当り次第に停めてあるさまはまるでカーアクション映画のようです。で、その車の山の向こうには、ちゃんと警視庁のみなさんが、バリケード張ってます。しょぼーん。
「ああ、今度はこっちかよー。だったらさっきまで通行止めだった元の道、今は空いてんじゃんよー。ごめんねえ、ごめんねえ」と、しかたなく更に遠回りなルートを取って機動隊を追い抜いて走る運転手さんは、しきりに詫びておりました。
それにしても、領事館というものの成り立ちは知らないが、最近の一件を見るに、単なる「相手国の人質」と思われてるような感じがしますね。ほら、敵対する国に見せしめるのに、その国の旗を燃やしたり踏んだりするでしょ。あの「旗」と同じ気がする。燃やせ、汚せ、ってのがね。同等に侮辱できるんだから旗使おうよ。人じゃなくて。