これは恋ではない、のか

この数日、寝ても覚めてもあの子の事が頭から離れないんです。私も30を過ぎてそれなりの分別がありますから、話してもあまり通じないだろうし、触れるどころか目を合わせることすらかなわない仲だと十分わかっているのに、一目でいいからあの白くか弱く、そしてこの世のものとは思えないほど美しい姿を見つめたい、あの優雅な動きを見せて欲しい、とそればかり想い、とうとうこの台風の中でさえあの子を探しにでかけてしまったのです。
ああ、アカクラゲ。ハナガサクラゲ。そしてミズクラゲよ。