おはよう

backbeat2009-02-25

被災地支援に入って一番嫌なことは、まっとうなカタギ暮らしに戻るのが大変なことなんだよね。いやね、デスマーチだ責任問題だ言っているうちはいいんですよ、実際。いやほんとに。全部「キンキュージタイ」で済ませられるから。本人たちも、たくさん仕事しなきゃだめだけど、基本的には「デスマーチデスマーチだカロウシだ、ああこんな困難に立ち向かうとは俺はなんて本当にバカで不幸で、でも勇敢なのだ」と思ってればいいからね。バカと勇敢はヒーローの印。バカほどヒーローが好き(わかりやすいから)なのはどこでも同じ。それにしてもやけにネガティヴでインドアで設定が単純幼稚なヒーロー物だがね。
でもね、夢は覚めるから夢なんだよ。どんなヒーロー物にも最終話は必ずある。ヒーロー役が仮面を取ってタレントになり、持ち前の運動神経で人気者にでもなれば当面は安泰だろうけれど、ネガなヒーローを待っているのは部屋に溜まった読んでない新聞雑誌や年賀状、捨ててないゴミの山、冷え切った家庭、離縁の届、切れてしまった友人関係だけ。ネガだけに、本当は演じていたヒーローの姿なんて誰も知らないし観たくもない。それが現実。
こうなると、もう現実の生活はできない。また「ああこんな困難(略)」に立ち向かって、演じたヒーローの姿を観てくれる人と一緒にいないとアイデンティティが保てない。他に居場所がないから。そうしてデスマーチがまた起きる(あれは故意だよ)。「仕事より大事なことはいっぱいある」ってことに気づけばいいんだけれども、実はこんな風に、そこらの安い人情ドラマでは説明しない、ドロっとした情が裏に貼りついている。カタギ生活との離別からアイデンティティ確保の流れには、スジの人が転落していくルートと同じ、やるかやられるかのような印象がある。いや、でも、やるかっつったって、すげーネガでカネもオンナもバクチも無い、なんかシーゲンゴがどうしたとかこのデバッガのここを押すとかゆうクサいルートなんだけどね。
だからこういう考え方にだけはハマっちゃダメだぞ、ハマったら本当に人間として終わるからな、そうならないために支援してるんだよ、と、先日慰労会があったんで言ってみたら、彼らの顔が固まったのには苦笑した。


とはいえ、その毒気(苦笑)はオイラにも効いているので、今週は全部休み(!)で連日、愛すべき友人の皆さまとの会合(会合て)と、戸籍的な合法手続き作業(割と、親族、キれてます現在)、それに、連日のメシ作り。リハビリっす。夢はもう醒めた。みなさんどうもおはようございます(大きな声で)。今日も雨でしたけど、もう夜ですけれども、おはようございましておめでとう。今年もよろしく。まだ会合していない人も順次カイゴウするのでおめでとう。今後もよろしく。
ググって調べたレシピのチキン・サグ・カレーは、見た目はともかく、割とおいしかった。