全世界米食選手権

米が好きだ。ああ好きだ。大好きだー(夕陽に)。


気持ちが落ち着いたところで米の話を始めよう。今では小麦も同じくらいに好きなんだが、今日は趣味よりは、白米をうまそうに食う話をする。
うまいものをうまそうに食う事は才能で、ことにAさんやTなどは本当にうまそうに食う。生半可な演技じゃ勝てない。でもまあしかし、勝新太郎が食う握り飯に勝てるかと言われたら、Tもシャッポを脱ぐ(使いたかった語句の例)と思う。それがうまいと本当に思ってこそのあの演技だ。オレもあれが多分、「白米をうまそうに食う」世界最高の映像だと長年思っていた。のであるが、先月にそれが打ち破られたのである。
中国人がやっている中華料理屋の、まかない。


繁盛時をちょっと外した時間帯に。
調理人数人が、普段さっぱり使われてない円卓を囲んで。
手にはどんぶりメシと竹箸だけで集合。
テーブルには大皿2枚。炒め物と煮物だけが、それぞれどっさりあって。
とりあえずの付け合わせに、アルミの曲がった碗に入った、定食用のザーサイの余り物が転がってて。
おかずを箸で取ってメシに直接乗せて、がっつり食って。
乗せて、がっつり食って、乗せてがっつり食って、あ、今日競馬が、と飲みこんで競馬の話を始める。
どんぶり山盛りのメシに乗せていた、炒め物のタレと油が、じわっとメシについていて。
じわーと。
じわー、っと。
その間も、炒め物からは牡蠣油の匂いがする湯気が薄く立っていて。
じわっとしてるのと、同じ色のタレが皿の底に座っていて、ニラが浮いていて。

もー負けちゃってさー(話に夢中で食べてない)
当たる訳ねーだろ、その馬(聞きながら乗せて、がっつり食う)
いやーでもさー(炒め物にいこうとして、やっぱり止めて、箸をどんぶりの上で休ませる)



...あああああ、どけオマエ!!(笑)。おれに食わせろ。オマエはハズレ馬券でも食ってろ。いっぱい持ってんだろ(笑)。
そういう訳で、オレ内世界米食選手権2007は現在、「中国人の中華料理屋」が勝利。
行儀は文化や人の背景があるからどうでもいい。勝新だって指についた飯粒を愛おしそうに食うのがいいのだ。
米食文化圏の皆さん、さらなる挑戦お待ちしております。