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さて、今年は更に手を変えて参ります。SF。ただし中国。

中国科学幻想文学館〈上〉 (あじあブックス)

中国科学幻想文学館〈上〉 (あじあブックス)

中国でのSF、ファンタジー小説の歴史。SFというジャンルの概念が入るのはもちろんヴェルヌやウェルズの訳本からなんだけども、「良妻C」などのご要望にお答えできる様々なシチュエーションを盛り込んだ肉欲が充実、じゃなくて、「聊斎志異」などの良質な神怪(神経じゃないよ)小説が古来より非常に充実していただけに、自国の作品はどうしてもそっちに引っ張られがちで、逆に「我が国には真の科学小説(SF)がない」と物書きが嘆くあたりが、いい。確かに引っ張られてるのが面白い清代あたりから、徐々に踏み出していったあたりで上巻おしまい。筋の紹介では講談(古い)口調になったり、実に面白い。
この上巻の著者である武田先生、実は北海道大学の文学部にいらして、オレはこれをその文学部の真向かいにあるホテルで1/5に読んでいた。このままいきなり伺っても正月だし許してくださるだろうと思ったのだが、まだ最初しか読んでないのに読者ヅラするのもなんだな、と思って止めた。札幌の友人、例えばid:noplansさんにこれ読ませて(笑)行ってもらえばいいし。ははは。