必然

会社帰り、地下街の中古レコード催事に寄る。物色に行ったんじゃなく、Jさんが売り子に来ているので顔を見に行った。近づくと、レジ後方で完全に魂が抜けた顔のJさん発見。やばいよそれやばいって(笑)、と声をかけたら「もうへとへとだよ」だそうです。ご苦労様です。労働はきついし、どんな仕事もそうだが実際にやる事は地味だし、せっかくいい盤出しても転売に食われるし、「なんか自分もDJとか」なんてのが来るし、レコード屋さんも大変だね。
「新品・本人歌唱」格安CDコーナーを眺めつつ雑談。

「かずおさん、今日は仕事で時間ないけど、今度メシ食おうよ。金払いたいしね」
「?」
「8月のKonono No.1.」
「あーはいはい」
「あれさ、コノノが前座だったりしないよね(笑)」
「ぐはは。...あ、でもね、それは失礼なんだよ。追加公演あるんだよ。六本木ヒルズ。族のたまり場」(50Kのmixi日記には笑ったなあ)
「えー、すごいじゃん。ヒルズ」
「でも電気音に慣れちゃうとあれ、やっぱりリンガラだよね」
「まあね。...でもきょうび『リンガラ』って言うと、年がばれるよ(笑)」
「ぐはははは。そりゃ確かに」
「ルンバ・ロックっていいですね、とか」
「はいはい、わかりました(笑)。...あれれ、このCD、中古じゃねえんだ」
「新品だよ新品」
「なんですか『祝い歌・本人歌唱』ってのは。歌があるの?...あーそうか、(坂本冬美天童よしみの)お祝いな歌の本人歌唱をいろいろ集めました、ってCDなんだ」
「たぶん、便利なんだよ。こういうの」
「ふーん。どういう人がこの(新品本人歌唱)棚で買ってくの?売れる?」
「結構売れる。おばさんがニニ・ロッソとか買ってくよ」
「ににろっそ。へー。なるほどねえ。...なんかフラメンコもあるよ(裏を見る)」
「こういうの、なかなか良いんだよ。ほら」
「へー。オイラは(不勉強で)全然わかりません(『***村の***のみなさん』などと書いてある)」
カンツォーネなんかいいんじゃない」
「かんちょーね、ねえ(今あんまり興味なし)。...あ、サムテイラーがあるよ、さむていらー。恥ずかしながら、新品ってオレ、初めて見た(笑)」
「中古100円LP」
「そうそう。埠頭で『奥飛騨慕情』みたいの」

覚えてる分をそのまま書いた。じっつに冴えないね(苦笑)。そんなぱっとしない、いつもの、全然人気でもレアでもない中古レコ雑談をして、日曜に飯食いましょうと約束し退散。これは必然な内容。必然だ。
帰りがけ「砂の女」のビデオでも転がってないか見たものの、無かった。後で知ったが50Kも寄ってビデオを買ったそうで。こっちは偶然にしてあげたい。ははは。


結局何も買わなかったが(すいません)、別に思い出した新譜(本人歌唱)CDをタワーへ見に、別れてからチッタ側に抜けた。また別の必然により地上に出た途端、ルーズな格好をしたアフリカンな兄ちゃんが足早に寄って来た。よくこうやってうろついてるヤツを「仕事しねえでオンナのケツばっかり追って」と評する風がありますけども、それは間違いです。ヤツらはカネとかそういう「はっきり見えるもの」に敏感なの。だから、今回は、ケツ振ってる姉ちゃんを通り越して、ちゃんと坊主でヒゲな、B濃度のありそうなオイラにやってきた。濃度マイナスのこっちはいい迷惑だがな。

「よーめーん、服あるよ、見てけよ」(ボビー某のアレ以来、タメ聞くヤツ増えたよね)
「いらねーよ」
「なんでよー」
「また銀柳のあの店かよ、しつけーな、いらねーっつってんだろ、てめえ」
「ちっげーよ、しらねーの、そこに出来たの。来てよ。すぐだよ。案内するよ」
「どっちでもいらねー」

脈がないとさっとあきらめるところは感心するね。変に(笑)。そりゃあ女の子にモテるかもね。最近湿気の多い男が多いし。