James Chance@UNIT

パンクとかニューウェーブってのは、疫病だ。ウィルスだ。はしかだか水疱瘡だか、一度感染すると、表面上は治癒しても神経節の奥にまだ残っていて、トリガーが入ると再発するやつがいるでしょう。あれだ。あれを音で作るとああなる。単純な構造、どこまでも続く攻撃。一度ああいう音楽を聴いてしまうと、それが生であれ録音であれ、脳の一番奥に入り込む。先鋭テクノロジーが作った生物兵器なんてきれいなもんじゃない、もう世界中の地べたではびこって淘汰されてまた免疫つけて、先鋭化単純化を繰り返したインフルエンザみたいなもん。あれが、噴き出す。どんなにボサだジャズだファンクだとスカしても、コアだなんだと飾りをつけても、あのビートやあの有刺鉄線みたいなギターやサックスを聴いたら、体中にあいつらが再発する。こいつらこそこの世の病だ。なにやってんだWHO。
...いかがですか。なんか往年のライブ評みたいでしょ。なんてね。
大阪の競演は町蔵&EYEちゃん、東京3daysはDCPRG(だっけ?)、最終日はPanic SmileZazen Boys、シークレットがReckなんだっけ。すごいね。それを上回るのがコントーションズでしたがね。素晴らしい。
どう素晴らしいかというと(感想文風)、そのままです(感想文で怒られる子風)。本当に変わりません。どかどかドラム、ぶんぶんベース(ラウンジ・リザーズの人だと腹に聞いた)、有刺鉄線ギター、有刺鉄線ギター、有刺鉄線サックス、有刺鉄線オルガン、有刺鉄線、に落ちたやつの悲鳴のような歌。それでも、これだけライブ評くさいことをかけるんだから、そりゃあ、すごいでしょう。そういうことです。クラバーも往年のファンも1曲目から8ビート縦ゆれ全開。要するにジャンプ。ぶんぶんだだだだぶんぶんだだだだぶぴーぶぴー。至福です。「まあ、いいとは思うんだけど」というファンのあなた、JBの"Super Bad"カヴァーもやりましたよん。...あれ、これどれかのアルバムに入ってんじゃなかったっけ?確かJBカヴァーしてたよね。allmusic.comに無いな。これだから浅いファン(おれ)はダメだなあ。腹、あと頼むわ(笑)。<お前の日記だろうが
オイラと腹の前に20代の子が居て、「どうなんだろうねー、ライブ」と心配してたけれど、1曲目が終わった途端、涙目で「か、かっこいいねえー」と大満足。2曲目からは後ろの若い、かわいらしい娘さんが必死に前に出ようとしてアタック(笑)してました。うれしいねえ、こういうの。いや娘さんの胸アタックは、それはとてもうれしいから、2倍2倍。
アンコールは1曲、その後サックスソロ1曲。終わり。淡白だなー(笑)。そして若い皆さんが行儀よく順番に出口を目指すなか、おっさんの腹とオレは「あー、飛び過ぎでマジ足腰痛えーー。お前ライブでジャンプなんて何年ぶりかだろ」などと、2人で屈伸運動。年には勝てない。しかし最高。今月のモテオヤジ決定。
カエターノ、有山、コントーションズと3ヶ月続いてるんだから、8月もよろしくお願いしますよモテオヤジ(自分で探せ)。9月は狭山で細野さん、マーク・ベノ、もろもろ。これは確定。