こじれ

backbeat2005-06-23

音楽バトンがいろいろ話題というか、物議を鴨志田ですなあ。こじれてる。雑感を。

ちょっとやってみたかってん

「どこから出たんだこのチェーンメールは」ってなっちゃったのは、ひょっとしたら終わりのないチェーンメール形式にしたせいで、

  • 音楽好きのあたりから、どんどん音楽に興味が無い人にも拡散してしまった
  • どうしても5(3)人に回すのが義務と思うようになってしまった

あたりがあるのかもしれないねえ。まとめサイトから辿れる初期の文章には回す人を選んだ理由が載っている。「オンラインでしか知らない友達だけど、たくさんCD持ってそう」「忙しくてこんなこと付き合えないかもしれないけど、どんなの聞いてるか興味がある」などなど、趣味が近い同士が趣味の話をしている雰囲気がよくわかる(よくThey might be giantsを挙げてる)。最初の出自はわからないけれど、そういう連中が互いに互いの趣味を半強制的に暴露しあうゲームだったんじゃないだろうか。趣味のBlogやら日記で知り合った人を知りたくて、ちょっとやってみたかった。遊びなんでまあよかったら。上の文章を読むとそんな印象。ただそのゲームに強制力をつける(バトンを回す)方法に、ちょっと力がありすぎた。内輪で止めていればよかったけれど、興味のない人にまで強制しはじめちゃったあたりからこじれてんじゃないかな。例えばプロ野球バトンなんて好きな人には面白いだろうけれど、オレに回されたら困る。楽天

差異

まあそういう理解になっちゃったので、いわゆる「日記書いてる人に*つの質問」なんてのとは本質が違う気がする。オイラがバトンを回すのは、オイラがその人の好きな曲なんかを訊いてみたいという意思があって、全然コンタクトのない他の人でもいい訳じゃない。まあ「*つの質問」アンケートはアンケートといいながらその人となりを晒す同様のゲームだ、と解釈できなくもないけど、そんなにしてまでバトンとアンケートを同一視することもない。主体と対象の意味合いに差がある。

陰謀

ないない。

  • 最近なに聴いてるの?
  • 最近なんか買った?
  • 今何枚くらい持ってるの?

何枚ってのは今なら何バイトと聞いてもおかしくはない。どれも音楽好きな人と話をするときの常套句。初めて話す人に話題を振るとき、久しぶりに会う人と会話の口火を切るとき、顔も見飽きた(笑)人と話題をつなぐとき。
残りの「お気に入り5枚」は、むじレコ。「無人島に1枚レコードを持っていくとしたら、何にしますか?」。「自分の半生を振り返る」ってのはこれ。インタビューなんかの常套句。元はイギリスの番組だったっけ。レコードじゃなくて本で、ただし聖書以外、とかなんとか。レコードコレクターズの増刊にズバリ「無人島レコード」ってのがある。一冊まるごと無人島レコードってのはアイディアだ。とても面白い本。宇田和弘さんのむじレコ話は最高。参りました。
それはともかく、初めてあった人と話す常套句程度の曖昧な内容を集めたってしょうがない。実際にライブなんかでよく配られるアンケートだともっと色々具体的に書くようになってるよね。それくらい絞ればなにか出るかもしれないがねえ。ネットワーク経由のねずみ講でやればバカでかい母数を稼げるってのはあるものの、こんな曖昧な質問の母数稼いでも結果に何か出るってことはないよ。断言。

暴露

自分の所有CDやお気に入りの曲を他人に見せたくない人は、結構居る。今読んでいる本、好きな映画、好きな食べ物、好みの女性/男性のタイプなんかと同じで、慣れてしまえば口に出すのは全然どうってことは無いんだが、慣れない人にはとても辛い。音楽の、特に録音(CD)を聴くのはとても個人的な場合がある。ヘッドフォンで一人夜に聴くのが最高に好きな曲とかね。そういうのを強制的に出せって言ってるんだから、やっぱりそりゃ、こじれるわな。お察しします。
ただね、これをどこも書いてないんだけども、慣れちゃうと、趣味の近い人間と好きな曲の話をするのはとても楽しくなる。更に慣れて「コツ」を覚えると、趣味の合わない音楽好きとも、そういう話が楽しくできるようになる。そうなってくると、このゲームは結構楽しい。オイラの前後のバトンを見れば、あった事がない人でも彼らの様子がよくわかる。いやまあ、オイラがバトンを回した方はみな実に色々詳しくて、オイラの好みの音楽もよく聴いてらっしゃる方だから、合わない人、とは言えないんだがね。