中古レコの怖い話

DJゆうのとか和モノゆうので、中古レコ屋はクール(笑)な場所になったようだが、本当にそう思ってるのか。青いね。中古の現実を教えてあげよう。
先日、そういう意味ではかっこいいレコ屋さんであるディスクユニオンで中古の荒井由美「コバルトアワー」を買った。CKBがカバーしたり、そもそもバックがキャラメル・ママ周辺だったり、あの「卒業写真」「ルージュの伝言」が入ってたりでとても有名なアルバムだ。CKBでキャラメルママと言うだけで欲しくなる若い衆も多かろう。そうだろうそうだろう。
で、家に帰って、ビニール袋を開けたら、なんか匂いがするんだよ。
香水の匂い。それも安い香水の匂い。芳香剤みたいな匂い。
あんまり最近、特にこの10年くらいは街で香る事もまずないような香水。
まだ10代前半くらいのころ、そろそろ結婚するかしないかって世代の垢抜けない女性がよくつけていた匂い。
その匂いが、更に蓋を開け、ライナーを出して開くと、もう立ちこめんばかりに漂う。
しかもジャケはピンク地にハートを射抜く飛行機と「YUMIN」って名前の入った絵(byペーター佐藤)だ。YUMINだよ。SONINじゃないよ。YUMINだよ。でペーター。
時代だねえ。すっごい大事にしてたんだよこのCD。宝物だったんだよ多分。ちゃんとCDの帯も中に入れててさ、ライナーも盤面も新品同様。でも盤やライナーの中までしっかり匂いがついてるってことは、よく聴いてて、ライナーも毎回開いて見てたんだよ。で大事にしまってたの。2000年の再発だからまだ和モノがどうこうはなかった。たまたま買って久しぶりに聴いたらとても懐かしかったんだよ。カラオケか「魔女の宅急便」で気に入って買ったのかもしれないけど、これだけ香水がつくんだから、多分会社から帰ってきて一休み、って時によく聴いたんだろうねえ。
それを売ったってことは、彼女どうなったんでしょうね。今、幸せなのかしらね。

...なーんてそんな感傷に浸ってて中古買いができるかっつーのプー。そもそも俺の払った1,500円の何割かはそいつに回ってメシ代にでもなってんだっつーのプー。あなたが大事にしていたCDは今、花電車3枚と辰の「フレンチ・コネクション」DVDという汗臭いディスクに挟まれ、こうしている間にも坪田パールのマーベルライターから漂うZippoオイルの匂いとそれで点けたショートホープの煙にさらされ、だんだんと、30代のオヤジ臭に染まるのです。
つーかCDが臭え。30過ぎの独身の部屋にこれが臭ったら、家族友人は「あんたも身を固めるのかい」という前に「どういう人なのか会わせなさい」と言うね。実際ね、きょーび無いよこの臭気。かぐか?つーか、かげ。>T
ところで細野さんベースが話題になる表題曲「コバルト・アワー」ですけど、正直ベースがちょっとあからさま過ぎて醒めました。周りの空気読めと思ってしまう。これじゃあバリウマなふーじょんの人が技を披露してんのと変わらないんじゃないかしら。
細野さんベースは大好きだけに、ちょっとね。